ごあいさつ

研究の全体計画について

平成22年度
 本申請が採択された場合、再度研究ユニットに参画を希望する者を全学から公募し、研究推進ユニットの構成メンバーを確定する。全体会議を葉山の総合研究大学院大学本部にて開催し、今後の研究計画を議論し、決定する。この研究計画に沿って、遺伝子班と文化班がほぼ独立に研究をスタートさせる。これら2班は、国立遺伝学研究所と国立民族学博物館においてそれぞれ班会議を開催する。
 遺伝子班は、既発表の大規模SNPデータのダウンロードとその解析、ヒトゲノム中で自然淘汰を受けていると考えられている遺伝子の検索、古代DNA研究の準備(骨などの資料所在地の調査)、ヒトと相互作用するウイルスとそのゲノム構造の把握などを行う。
文化班は、人類の拡散をよくあらわすことができる文化要素(石器、土器、金属器、言語、家畜、農作物、農業技術、狩猟技術など)のリストを作成する。 総括班は本研究のホームページを立ち上げるとともに、遺伝子班と文化班との連携をどのように行うかを検討する。



平成23年度
遺伝子班テーマ1:研究班メンバーが所蔵している現代人DNAの大規模SNPタイピングを行う。
遺伝子班テーマ2:既発表の大規模SNPデータを解析し、個体ごとの祖先集団構成を推定する。
遺伝子班テーマ3:前年度にリストした遺伝子について、自然淘汰パターンを推定する。
遺伝子班テーマ4:骨や歯の資料から古代DNAを抽出し、ミトコンドリアDNAの配列決定を行う。
遺伝子班テーマ5:前年度にリストしたウイルスについて、塩基配列データの準備的解析を行う。
文化班テーマ6:前年度にリストした文化要素について、出アフリカ前後の状況をよく表わすとおもわれるものを抽出する。
文化班テーマ7:文化の混淆を量的に表すことができる文化要素リストを抽出する。
総括班:遺伝子班と文化班の連携が円滑にゆくように活動する。



平成24年度
遺伝子班テーマ1:前年度に続いて、現代人DNAの大規模SNPタイピングを行う。
遺伝子班テーマ2:本研究で決定した大規模SNPデータを解析する。
遺伝子班テーマ3:興味深い遺伝子について、自然淘汰パターンの地理的多様性を推定する。
遺伝子班テーマ4:古代DNAの核DNA部分について塩基配列決定を行う。
遺伝子班テーマ5:ウイルスの塩基配列データから、各人類集団との相互作用を解析する。
文化班テーマ6:最近10万年における人類の拡散状況をよく表わすとおもわれる文化要素を抽出する。
文化班テーマ7:前年度に抽出した文化要素リストのデータの量的解析を行う。
総括班:遺伝子班と文化班の連携が円滑にゆくように活動する。

平成25年度
遺伝子班:班会議を開催し、各テーマの結果を総合的に解析する。各テーマごとに論文を作成し、投稿する。
文化班:班会議を開催し、各テーマの結果を総合的に解析する。各テーマごとに論文を作成し、投稿する。
総括班:全体会議を開催し、遺伝子と文化の多様性の増加と減少について総合的な解析結果をまとめる。その結果を、公開シンポジウムの形で一般に紹介するとともに、全体の成果をまとめた単行本の執筆を計画する。



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