遺伝子と文化の多様性創出


代表者 斎藤 成也

研究テーマの概要

 現生人類は、およそ20万年ほど前にアフリカから拡散を始めた。その後ユーラシア大陸に進出し、ヨーロッパとアジア、さらにスンダランドを南下してサフールランドへ、北上してベーリンジアからアメリカ大陸へと拡散していった。数千年ほど前になるとオセアニアからマダガスカルまでの広い範囲に拡散していった。このあいだに生業様式は採集狩猟に農耕牧畜が加わり、人口が急速に増加していった。現在では、これらの多様化は、遺伝子と文化の混淆により失われつつある。
 本研究では、人間社会における「多様性」をキーワードとして、主として遺伝子と文化の面から、現生人類の多様性が地球上への拡散につれてどのようなパターンで増加していったのかを明らかとすることを第一の目的とする。第二の目的は、長いあいだに培われたこの多様性が近年急速に失われているパターンを、集団間の遺伝子レベルでの混血率と文化レベルでの混淆率を推定するなどの方法によって比較することである。このように、生物としてのヒトと文化を持つ人間としての両側面を総合的に研究することは、本件の研究テーマの要件としてあげられている「各専攻が有する優れた人的・研究的環境を有機的に組み合わせた学際的分野、専攻横断的分野等、学融合を目指した新領域研究テーマ」にふさわしく、かつ独創的なものだと考える。
 将来的には、本研究の成果をもとにして、複数の専攻を横断する新しいタイプの融合研究センターを設置し、そこで人類の多様性を研究することが考えられる。



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